社交ダンスの先生をやっていると、いろいろな質問を頂くことも多いわけですが…その中でも特によくいただく質問に「どれくらいやれば上手くなりますか?」というものがあります(特に、社交ダンス初心者の方、歴の浅い方に頂くことが多いですね)。
『ゴールの見えないものに努力を続ける』というのは精神的にもとても大変ですし、せっかく始めるなら『どれぐらいで成果を得られるのか?』はやっぱり気になるものですよね。
そこで、これまで数多くの方に社交ダンスを教えてきた筆者の経験から、社交ダンスの学び方を『3つのパターン』に分け、
- それぞれのパターンにおけるメリット/デメリット
- 1年後の上達目安
- 上達が遅いかも…と感じた時にチェックする3つのポイント
をこの記事にまとめてみました!
この内容が、これから社交ダンスを始めようと思っている人・社交ダンス初心者の人・社交ダンスを学んでいるけど、思うように成長できていないのでは…と不安を感じている人の手助けになれば幸いです!
社交ダンスを学ぶ:3つのパターン
ひと言で『社交ダンスを学ぶ』といっても、その学び方は大きく以下の3パターンに分かれています。
- 独学で学ぶ
- 団体レッスンで学ぶ
- 個人レッスンで学ぶ
パターン1.独学で学ぶ
特定の教室やレッスンに通うことなく、教科書や図・写真入りの本、最近ではYouTubeや雑誌付録DVD動画等を活用し、独学で社交ダンスを学んでいくスタイルです。最近はいわゆる『動画教材』もYouTubeを筆頭に増えてきたので、独学で学ぶ人も少し増加傾向にあります。
独学のメリット
独学のメリットは、何と言っても『とにかく手軽で安価』な点!
いつでもどこでも何度でも、無料もしくは安価で学べます。ものによっては丁寧な解説が入っているものもあるので、それを基にダンスを勉強している人も多いのではないでしょうか。
独学のデメリット
ただ、社交ダンスの独学は正直『デメリットは相当大きい』と言わざるをえません…!
それは、世に出ている本や動画といった『独学教材』は、あくまで『一般論を伝えているにすぎない』から。
社交ダンスの上達で詰まってしまうのは、その大部分が『個人的な問題点』なのですが、こういった独学教材では『個人の方が抱えた課題/問題点に対する指導・回答』が行われません(汎用的に作られていますので)。
また、ダンス歴が浅いほど『ご自身で踊っている・できていると思っている状態(感覚や見た目)』と『実際の動き・見た目』が異なります(汗)。こういった『感覚のズレ』を客観的に指導・矯正してもらうことが、独学ではできないのです。
これは、上達を目指すうえで相当大きなデメリットとなります!
独学1年後の目安
はっきり言ってしまうのは少々気が引けるのですが…独学練習によるデメリットは非常に大きく、1年間続けても『(周りから見て)踊りになっていると言えるかどうか』というところなのが現実です。
しっかり経験を積んだ人が『参考にする』という形であれば、独学教材を利用するのもいいと思います。が、本や動画といった独学のみで上達を目指すのは正直あまりお勧めしません…。しっかり上達したいと思うのであれば、なるべく他2つのパターンと組み合わせて学ぶことを検討した方が良いでしょう。
パターン2.団体レッスンで学ぶ
ダンス教室やサークルで行われている『団体レッスン』で学んでいくスタイル。団体レッスンは2〜3人の少人数型なものから何十人単位の大人数型まで様々ですが、基本的に一定の決まったステップを覚えていくのが一般的なパターンです。
団体レッスンのメリット
『上達』という観点で見れば、直接先生のお手本を見ることができるのが大きなメリットと言えます。
独学教材で見るお手本は、本や図、動画といった形になりますが、どうしても『平面』なので分かりにくいもの。直接先生のお手本を見ることで、社交ダンスのお手本を”立体的に”捉えることができます。その分、分かりやすく理解しやすいでしょう。
また、基本的にレッスン場はそれなりの広さがあるのもポイント。狭い場所で周りを気にして踊るより、広い場所でのびのび踊った方がやりやすいですし、なにより楽しさが段違い(笑)。
この後ご紹介する『個人レッスンスタイル』でも上記のメリットは得られますが、団体レッスンは『先生一人に対して生徒が複数人』という形式なので、生徒1人単位の料金が比較的お安くなる&クラスメイトとともに楽しめる、というのも見逃せないメリットですね!
団体レッスンのデメリット
団体レッスンのデメリットは、じつは少し独学のデメリットと似ており『一般的な説明が中心になってしまう』こと。団体レッスンは複数人を同時にレッスンしていくことになるため、人数が多ければ多いほど『(レッスンを受けている)みんなに共通する問題点』の指摘やレクチャーが中心になってしまいがちなのです。
また、この後ご紹介する『個人レッスン』に比べると、どうしても先生(上級者)と組んで踊る機会が少なくなってしまうのも避けられません(これも、団体レッスンの人数が多いほど発生するデメリットと言えるでしょう)。
団体レッスン1年後の目安
団体レッスンの上達目安は、基本的に『参加していた団体レッスンが、どの程度の人数規模だったか』で変動する傾向があります。
例えば、大人数型の団体レッスンで学んでいる場合、上記で挙げたデメリットが大きく影響するため、『いくつかの種目の基本的な足型を学び、マスターしているものがある』くらいのイメージです。
それに対し、少人数型の団体レッスンの場合、デメリットの影響が小さくなるため、『比較的多くの基本的種目の基本足型をマスターできている』ぐらいであれば、しっかりと上達できている、と考えてよいですね!
パターン3. 個人レッスンで学ぶ
主にダンス教室で行われる『教師と生徒のマンツーマンレッスン』。その形態は教室によってマチマチですが、基本的に『生徒が何をどう学びたいか』に併せて、柔軟にレッスン対応してくれます。
個人レッスンのメリット
個人レッスン最大のメリット、それは何と言っても『上達が早い』こと!
その理由は、やはり個人レッスンが『先生が一人の生徒に集中し、その生徒に合わせた指導を行ってくれること』につきます。その生徒の特長、適正、好み、得手不得手などすべてに寄り添うことができ、一人一人にカスタマイズされたレッスン…。
さらに、団体レッスンにもあったメリット
- 直接先生のお手本を見ることができる
- 社交ダンスのお手本を”立体的に”捉えることができる
- 広い場所でのびのび踊れる
を受けることができ、なおかつ
- 先生(上級者)と組んで踊る機会が少なくなる…
- 一般的(汎用的)な説明が中心になってしまう
といった団体レッスンのデメリットがなくなり、まさに『しっかりと社交ダンスが上達するための環境』が揃っていると言えるでしょう!
個人レッスンのデメリット
しかし、そんな個人レッスンにもデメリットはもちろんあります。
1つが、料金。マンツーマンレッスンとなる分、どうしても『団体レッスンと比べて、価格が割増になる』のは避けられません…(汗)。
そして2つめが、成長度合い。どれだけ上達するか?は、完全に『教えてくれる先生に左右される』という点です。担当となった先生の教え方が悪かったら、極論、上達が遠回りする恐れもあります。先生の社交ダンスの腕前だけでなく、『どれだけ人に社交ダンスを教えてきた経験があるか』も重要な要点になるわけです。
マンツーマンレッスンである個人レッスンを選ぶ方は、大多数が『しっかりと上達したい』という思いを持った方のはず。
ですから、このデメリットをしっかり認識した上で『ちゃんと、経験豊富な先生がいる教室』で個人レッスンを受けないと、団体レッスンより費用がかかったにも関わらず、期待した効果が得られない…なんてことも(汗)。
個人レッスン1年後の目安
個人レッスンは、あまり『1年後にはこうなります』といった目安はありません。というのも、個人レッスンの場合、基本的にレッスンを受けている教室に『どんなふうになりたいか(何ができるようになりたいか)』等を伝え、それに併せて順次レッスンを続けていくからです。
そのため、レッスンの先生と『いつ頃までに、どういう状態になれるか』を目指して練習を続けているはず。目安としては『その時に立てていた目標が満たせているか(近づけているか)』となるでしょう。
ただ、しっかりとマンツーマンでレッスンを続けていれば、1年で『基本的な足型しかマスターできていない』ということはまずありません。
足型だけでなく、しっかりとした『踊り』そのものが身についてきて、ダンスがどんどん楽しくなっているはずです(すごくふんわりした表現ですが(汗))!
もしかして、上達が遅い!?…そんな時にチェックしたい3つのポイント
さて、ここまでで『社交ダンスの学び方3パターン』に合わせて、1年後の目安となる上達状況をご説明してきました。
もちろん最初にお伝えしたように、ここに記載したのは、あくまで目安。練習頻度や得手不得手、運動経験の有無など様々な影響で前後するでしょう。ですから、ご自身の学び方パターンにおける目安とズレていても、それほど深刻に気にする必要はありません。
…といっても、目安より上達が遅れていると、「伸び悩んでいるんだろうか…」「もしかして、上達が遅いのかも…」と気になってしまうこともあるでしょう。
そこで、『上達が遅いかも?と感じた時に見直したい・チェックしたい3つのポイントをご紹介しておきます!
- 練習する種目は大丈夫?
- 社交ダンス上達のポイントを押さえている?
- 有識者(先生や上級者)に相談した?
チェックポイント1.練習する種目
ひと⾔で『社交ダンス』と⾔っても、その種目は10種類以上。そして、種目によって難易度もさまざまです。
種目の中には、『社交ダンス初心者がいきなり学ぶにはハードルが高い』というものもありますので、もしもこういった種目にいきなり取り組んでいる場合、思ったような上達ができない可能性が高いでしょう。
つまり、社交ダンス上達を意識した場合、熱意や努力ももちろんですが、『種目を学ぶ順番』もとても大切ということ!
そこでまずは、『ご自身が取り組んでいる種目が、初心者向けかどうか』をチェックしてみてください。純粋にダンスの上達を目的にした場合、熱意はもちろん要りますが、種目を学ぶ順番もとても大切!
どんな種目から学ぶべきか?は当教室にもよく頂く質問ですので、こちらの記事に『社交ダンス初心者にまず習って欲しい厳選6種』を解説とともにまとめておきました。ダンス教師歴25年以上(2022年4月現在)の経験に基づいてかなり詳細に分かりやすくまとめましたので、ぜひご一読くださいね。
チェックポイント2.上達のポイントを押さえているか
これまで長年社交ダンスを教えてきて気づいたのですが…社交ダンスが素早く確実に上達していく⼈たちには、大体決まってある『5つの共通点』があります。
“ダンス”というと才能やセンスといった、いわゆる『どうしようもない要素』が不可欠と思われがちですが、この『5つの共通点』は、誰でも⼿に⼊れることができる、習得可能なものなんですね。
ということは…そう、この『社交ダンスが上達する⼈たちに共通しているポイント』を意識しマネしていくことで、あなたの上達は確実にスピードアップするということ!
社交ダンスを学んでいく人には、全員に意識してもらいたい『5つの共通点』。もちろん詳細に解説したものをこちらの記事にまとめてありますので、社交ダンス上達を目指すのならば”必ず(笑)”一読しておいてくださいね!
チェックポイント3.有識者(先生や上級者)に相談
意外にも、これをしていない方が多いんです(汗)。
今ご自身が『悩んでいる部分』について、ちゃんと教室の先生や上級者の方に相談してみましたか?
もしかしたら、『上達していない/上達が遅い』と感じているのはあなたの勘違いかも知れませんし、有識者であれば、その『上達を阻害しているポイント』に適切・的確なアドバイスができるかも知れません。
もしもこれまで独学で学んできたのなら…一度、身近な教室などに現状を相談してみたり、見学や体験レッスンを受けてみる。
団体レッスンや個人レッスンを受けているのなら、今あなたが『こういった部分に悩んでいる』ということをしっかり相談してみる(先生も人間ですから…あなたの悩みに気付いていないかも知れませんからね(汗))。
時には、見学や体験レッスンでダンスを学ぶ環境を変えてみるのもいいでしょう
人に社交ダンスを指導できるようなレベルの人たちは、始めて1年そこそこの方々とは『見えている部分』も『見るポイント』も違います!
『ちゃんとした有識者に相談する』。
この動き1つで、今のあたなの上達を阻害するポイントが綺麗に解決できるかも知れませんよ?
1年後の上達目安:まとめ
いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、どうしても『上達する期間には、個⼈差がある』のも間違いない事実。
ですから、⼤体の⽬安として上達期間を意識することも⼤切ですが、ぜひ
- あなたのペースで
- 無理なく
- 楽しく!
上達していくことを、何より大切にして欲しいです!
そのうえで、もしも「なんとなく上達に不安がある」という場合は…気兼ねなく当教室:YMダンス教室にご相談してみてください!
当教室は徹底的に『初心者でも楽しく上達できるレッスン』に力を入れてます。ダンスの腕前だけでなく、『人に教えること』にも長けたベテランの教師陣が団体レッスン/個人レッスンを担当していますから、楽しくしっかりと上達していくことができますよ!
それでは、ぜひ『楽しく』社交ダンスを学んでいってくださいね!